人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログホッパー(引越人)ミミオくんの屋台。これで3回目の引越しだ。


by misaochan333

ウェールズ人C.W.ニコル氏の講演を聞きました。

【2008年11月9日(日) 】

 とある業界のとある団体が主催する、里山造りのボランティア・イベントに参加。
 武蔵嵐山(東武東上線)にある山林での植林活動。

 活動終了後のC.W.ニコル氏の講演。
 特筆すべき内容が多々あったので、忘れないうちにログっておかねばね。

 ■冒頭、ニコル氏(68歳)は、自らを「黒姫の赤鬼」と自己紹介された。現在は、長野県の黒姫山に住んでおられる様子。

 ■17歳から22歳までの何度かの北極での生活。また、南極に行ったこともあるとか。
ハイレセラシエ皇帝の命で、山賊に妨害されながら、20代で関わったエチオピアでの国立公園造りのエピソードなどが語られた。警察も賄賂で動いている国情で、困難を極めたとのこと。
 きょうの取材陣のカメラのフラッシュが、当時、山賊にライフルで攻撃された時の恐怖の記憶を呼び覚ますとのことで、その後遺症が40年以上経っても消えないそうなのだ。報道陣の撮影制限がなされたのだった。
 カメラのフラッシュが、発砲の際の閃光を思い出させるのかも知れないな。

 ■日本には、武道(講道館柔道と空手)を学びに来た動機が語られた。
東京の夏が耐えられず、講道館の先輩に避暑に連れて行ってもらった長野の山の中で見た〝ぶなの原生林〟での感動体験のエピソードも。
 世界を旅した後、再び40代で来日し、帰化。

 ■講演中、氏は自らの出自を何度も、<ウェールズ人>であり、ケルト民族であり、少数民族であると述べられた。
 072.gifクリックすると地図はもうちょっと大きくなるよ。
ウェールズ人C.W.ニコル氏の講演を聞きました。_b0156012_357162.gif

 ■高校生の頃の学校の後輩に、ストーンズのブライアン・ジョーンズがいたとのことだ。
したがって、ブライアンも<ウェールズ人>である。チビで喧嘩が弱いくせに喧嘩っ早かったのだそうだ。


 ■ウェールズ地方は炭鉱の町で、石炭産業が潰れた頃には山の緑破壊され川は死に、国土に残された森林は5%しかなかったのが、現在では、人々の努力によって60%台に回復したとのことである。
 その様子がスライド上映された。
 
 ■ケルト民族の〝ぶなの原生林〟は、キリスト教のアングロサクソンにことごとく切り払われてしまったとのことだ。
 講演を聞きながら、その時ボクがイメージしたのは、ニコル氏の遠い祖先が生きていた頃、ウェールズ地方では、アングロサクソンによるケルト人=少数民族支配が進んでいった様子だった。
 講演の冒頭で、氏が日本は支配されていない国だから素晴らしいといったのは、このへんのことが頭にある人だからかも知れない。
 英国人は皆アングロサクソンだと思い込んでいたのだが、それは浅はかな間違いだとわかったのだ。もっというと、白人は皆アングロサクソンだと思い込んでいたのだ
 <ウェールズ人>は英国人とは違うのかもな。いや、もしかしたら、英国人は、<イングランド人>と<ウェールズ人>と<スコットランド人>と<アイルランド人>の総称で、だからこそ、ユナイテッドなキングダムなのかも知れない。
 漱石が英国留学から帰国して1世紀近くは経っているだろうに、いまだにこんな程度の知識なのだ。ボクだけがそうではなく、平均的な日本人の知識レベルもこんなものだろう。
 まだまだ知らないことが多すぎる。まだまだ知らない世界の歴史があるのだね。
 身近なところで語られなければ、トゥルースは見えてこない。

 ■ステージに設置されたスクリーンで紹介された映像によって、現在、氏が黒姫山で進めている里山造りは、荒れ果てた自然林を研究・調査し人の手を入れて森を再生出来たのは、<開発>した結果だということがわかった。
 <開発>には、「よい開発」と「悪い開発」があることを理解すること出来た。
 これはきょうの収穫である。まさに目からウロコなのだった。


 ■当たり前の話だけど、人の話は聞いてみなければ、その人がどんな人だかわからないね。まして外国人ならなおさらだ。
 この講演を聞くまでは、ニコル氏のことは、エコ・ブームに乗った軽い外人くらいにしか思っていなかったもんな。
 しかし、この人は、ボクよりずっと長く日本の自然に触れ、その中で生きていた人なのだった。
 きょは、ほんとに来てよかったよ。
by misaochan333 | 2008-11-10 03:31 | その他