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ブログホッパー(引越人)ミミオくんの屋台。これで3回目の引越しだ。


by misaochan333

沢野ひととし「転校生」を買う。

【2008年11月20日(木)】

沢野ひととし「転校生」を買う。_b0156012_2052682.jpg ●転校生
 沢野ひとし/角川文庫
 1996.6.25 初版



 単行本「太田トクヤ傅」(本の雑誌社/1985.4)の改題、文庫化なのだ。
 この単行本はむかし古本で買って読んだんだけど、その古本は、いつか他の古本と一緒に売ってしまったんだ。
 この間、地元のブック・オフの棚でこの文庫版を見かけて、ちょっと後ろ髪を引かれていたんだよ。

 で、きょう、ブック・オフに行った際にやっぱり買ってしまったんだな。105円なり。
 それにしても、この本が書かれた頃の80年代は、まったくもって椎名誠一派と情報センターの時代だったね~。
 暑苦しいというか、イモ臭いというか、ウンコ臭いというか。
 全世界が北関東化して泥臭く土俗的となり、ロックまでが歌謡曲と化したスカ(ハズレ)の時代。
沢野ひととし「転校生」を買う。_b0156012_2315027.jpg

 そんな中で、沢野ひとしはちょっと斜に構えたひねた態度が何だか都会っ子っぽくてボクは好きだったんだ。
 この本の中の沢野が不良少年だった頃の東京の風景がいいね。すごく。
 ボクの知らなかった昭和の東京だ。
 そして、結婚してからの夫としての沢野といえば、妻の立場に立ってみると何だか安心できない不良性があってタマらんのよね。恋をするのがやけに上手な都会の不良の、あの危険な感じ。
 こんな男が東京から転校してきたら、田舎の少年たちはひとたまもないだろう。
 女の子たちは根こそぎ持っていってしまわれるにちがいない。
 ボクの好きなあの子なんか、間違いなくヤラれちまうことだろうさ。
 アブない、アブない。

 レイドバックした、80年代の沢野のイラストもいいね。
 沢野好きにはタマらん1冊なのだ。
by misaochan333 | 2008-11-21 02:29 | 購本記